洋画　ヒューマン

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「全米が泣いた」とかいうキャッチコピーが好きではないです。「これ観て泣けよ」みたいな感じで泣かされるなんて・・・とひねた私は皆が忘れた頃に観るんです。そんで泣く。


「ライフ・イズ・ビューティフル」	前半は陽気なイタリア男が素敵な女性を懸命に口説くラブコメ風、ロマンチックで情熱的な男の奮闘振りが楽しめます。後半はユダヤ人収容所での父性愛の物語。余りに現実離れしていますが子供を守るために必死な父親が素敵です。どんな状況下においても、夢と希望を棄てないで欲しいという父親の想いが伝わるストーリー。私的な感想はヨーロッパならではのグリム童話を思わせる内容です。
「スタンドアップ」	まだ女性の立場が社会的に弱かった頃のお話。離婚をしただけで白い目で見られる中、男ばかりの炭鉱で子供の為にがんばるシングルマザーの性差別、セクハラに対する訴訟を思い立つまでの話を描いています。ただのセクハラ問題ではなく、集団の中の一個人が弱く、無力であることを思い直そうとさせる為にはとんでもない勇気とパワーが必要なんだと思うと同時に、それができる人への憧憬と称賛を思い起こさせる内容です。

「シンデレラマン」	実在のボクサー、ジム・ブラドックの半生を、描いた作品。大恐慌時代のニューヨークが舞台です。家の中で凍えないように庭の柵を崩し薪にして寒さをしのぎ、父親たちはその日の仕事を得ようと必死に歩き回る。そんな時代の不遇のボクサー。家族が離れ暮らすことに耐え切れず、諦めていたボクサーの夢をつかむために立ち上がる。アメリカンドリームを掴んだ男の半生、努力とそれを支える家族なしには叶わなかったであろう成功談。

「グッド・ウィル・ハンティング」
	マット・デイモンとベン・アフレックが共同で脚本を書き、アカデミー脚本賞をさらった感動作。養子に出され虐待を受けたトラウマで誰にも心を開くことのできない主人公の青年。まともに学校を出ているわけでもないが数学に対する才能を大学の数学者の教授に見込まれるものの、留置所からの保釈のためにカウンセリングを受けさせられる。そこで出会ったカウンセラーと過ごすことで少しずつ凍った心が溶けていく。自由だが過去に縛られて人を愛せない少年が一人の男へと成長していく物語。

「アンジェラ」	借金まみれの主人公、命の期限は48時間。絶望の淵に現れた長身の美女、アンジェラ。無責任で口ばっかりのヘタレな男を励まし、助け、無償の愛を惜しみなく捧げる。会ったばかりの自分にここまでされて変わらない男がいるはずない。子供のように純粋さと荒々しさを併せ持つアンジェラが魅力的です。モノクロの美しいパリの風景も見物。

「ショーシャンクの空に」
	無実の罪で殺人の罪を着せられた若き銀行家アンディ。作中にアンディが心の内を語るセリフは少ない、物語は同じ刑務所仲間であるレッドのモノローグを中心に描かれている。同じ囚人とは思えない立ち居振る舞いのアンディを不思議に思いつつも惹かれていくのを抑えられず、やがて大切な友人となっていく。希望を見失わないことこそが人間の生きる意味であることを静かに、そして強烈に証明して見せたアンディ。原作であるスティーブン・キングも絶賛した心に残る名作です。