はじめに
私はベートーヴェンが大好きです。
大好き、というよりはむしろ、長年にわたって心の師と仰ぎ、
深い敬愛の念を抱き続けている、まさにかけがえのない存在
です。
彼の生きた時代、生い立ち、記録に残るものを辿れば総合的
にイメージし得るその人柄、風貌、彼の愛したもの、求めたも
の、そして、ベートーヴェンを見えない力で導いたもの、……
すべてが奇跡といえます。
このコーナーでは、今なお世界を動かし続けている偉大な人物
について、ほんの少し(!)だけ、ご紹介したいと思います。
ただし、あくまで私の個人的主観からのご紹介であることを、
おことわりしておきます。
ベートーヴェンの生家・ボン
中庭のベートーヴェン
私は18歳のときに、運命的にベートーヴェンと出会いました。当時、深い悲しみと困難に直面していましたが、私はここから必ず
浮上するのだと、自分に言い聞かせていました。…こういう事って、
あんがい誰にでもありますよね ( ^^;)。
そんなある日、東京の街を歩いていると、どこからか、このうえない
やさしい音楽が流れて来ました。(ぼくのベトちゃんの登場で〜す!)
私は愚かにも、「…こんなきれいな音楽は、中学のとき習ったモー
ツアルトに違いない!!」と信じ込み、目の前にあったレコード店に
駆け込みます。
しかし、店員さんは不審な顔…、
レコード(以前はそうでした)の山の中を探し
まわる私に、しばらくしてからこう言います、
ーもしかして、それってやっぱりベートヴェン
の、「エリーゼのために」じゃないの?
ウソ…こんなやさしい曲、書けんの?
ベトちゃんに……
これが、運命の出会い。
中庭の奥にひっそりとたたずむ
それからの10年、好きな曲は100回単位で聴くことになりました。
なかでも、3大ピアノソナタは1000回を
超えたと思います。