うさぎ

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今から10年前、近所のホームセンターへ日用品の買い物に行ったとき、ペットコーナーの1つのケージの中にたくさんの子ウサギがいました。
その中の1匹(正式には1羽?)に完全にハートを奪われてしまい、我が家へお迎えすることになりました。

その店にはその後も飼育用具やエサなどを買うためによく出かけました。行く度にウチのウサギさんと一緒にケージにいた仲間たちは1匹減り、また1匹と日を追うごとに減っていきました。
でも、ある2匹だけ、なかなか飼い主さんが見つからず、ずーっとお店にいました。その子たちは最初に自分が見たときに他の子達よりちょっと大きくなっていたことと、顔つきが怖くて「うーん(^_^;)」と思った2匹でした。みんな思うことは同じなのか、やっぱり残っちゃったのか…という思いで買い物に行くたびに見ていました。

しばらくして、またそのお店に買い物にいったとき、2匹の体はさらに大きくなり、子ウサギの可愛らしさはほとんどなくなってしまっていました。ケージの中は汚れていて水入れはからっぽ。ほったらかしの状態…。近くにいた店員さんに「お水、カラになってますよ…」と知らせたけれど、ぜんぜん入れる気配なし…。

たまらない気持になって、思わず仕事中のダンナに電話をかけ「あと2匹連れて帰えるから!」と告げ、店に残った2匹をすぐ家に連れ帰ったのでした。
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ほんの数週間の間に我が家のウサギさんは3匹に増え、しばらくの間、ウサギさん中心の生活が始まりました。
初めのうちは、まだ子ウサギだったので3匹一緒に同じケージに入れても仲良くしていました。そのうちに、先にウチに来た子が女の子で、後の2匹が男の子だということがわかり、しばらくしてケージを女子と男子に分けました。ウサギさんは繁殖力が強いので一緒にしていたらあっという間にウサギの園になってしまうからです。ワタシ的にはそれはそれで、もふもふシアワセ♪と思ったのですが…。

それからまたしばらくして、さらに成長し、今度は男の子同志がぶつかりあうようになりました。今までは一緒のケージにいて、遊ぶ時も一緒に部屋に出して遊ばせていたのですが、ある時からケンカをするように…。これが結構激しくて仲裁に入るのも一苦労。ウサ君たちのケガも心配だし、私も傷だらけになってしまいました。
なので、個室が必要になり、部屋にウサギさんケージが3つ並ぶことになりました。 部屋の中で遊ぶときも順番制になりました。それぞれ個性もあり楽しいのですが3匹を順番に遊ばせるので結構時間がかかります。お掃除も今までケージ1つ分だったのが3つ分に増え大変になりました。でもそれが苦にならないくらいかわいい3匹でした。

だけど時には泣きたい時もありました…。
男の子同志は成長するにつれ、縄張り意識がどんどん強くなり、別々に部屋の中を散歩させても、オシッコを飛ばしまくるようになったのです(*_*;マーキングの始まりです。一時期は一日中雑巾を持って床をふきふきしてました。ふきふきしている最中に顔にオシッコをひっかけられたこともあります。この時はさすがに泣きたくなりました。
そんなことがしばらく続き、いろいろ調べ考えた結果、男の子たちには申し訳ないけどオカマちゃんになってもらうことになりました。
去勢するとマーキングも減り、行動もおだやかになるとのことだったので。
我が家に来てから数か月がたち、体もずいぶん立派になっていたので、ほんとにゴメンネ…という気持ちでしたが2匹一緒に去勢手術をしてもらいました。
日帰り手術で無事に済みました。開腹せずにできるので女の子の避妊手術よりは負担が少ないそうです。そうは言っても、手術した部分を見てみると申し訳ない気持になりました…。

でも、これで女の子ウサとも安心して一緒にお散歩ができるようになりました。
術後はマーキングもなくなり平和な日々が続きました。

ウサギさんたちが来て2年が過ぎたころ、引っ越すことになり、転居先の小さな3畳ほどのスペースはウサギさん専用部屋になりました。今度の家は庭があったのでお散歩は庭でできるようになりました。
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新しい家に引っ越して1年近くたったころ、男の子の1匹がウ○チの状態が悪くなりました。ちょっとしか出なかったり、柔らかすぎたのが毛について固まってしまったり、いつもお尻を汚していました。全身濡らすと嫌がるのでお尻だけお湯に浸してお尻浴をよくやりました。
フードを変えたり、お腹をマッサージしたりしてもなかなかよくなりませんでした。お医者さんへ行くと「この子は毛が長いので飲んでしまった毛がお腹の中で詰まっているみたいだから、毛を溶かして出しやすくする薬を飲ませてください」と言われました。

家に帰って、先生に言われたとおり、スポイトでお薬をあげました。15分くらい経った頃、さっきまでお腹の調子は悪いけど元気だったウサギさんが、「きゅっ…」という小さな声をあげた直後、パッタリと倒れてしまいました。慌てて抱き上げてさすったりしたけれど、ぐったりしたまま動かなくなってしまいました。一瞬の出来事で何が起きたのかよくわからず、ただただ名前を呼んでさすってあげるしかできませんでした。そのウサ君はそのまま逝ってしまいました…。

本当に突然のことでした。まさかこんなことになるなんて…。悲しみの中、ウサギさんのお葬式をしてくれるところを探しました。
そのころ子供がまだ小さくてなかなか自由が利かなかったので、お迎えにきてくれて車の中で葬儀をしてくれるところにお願いしました。
車の中で?って不思議に思いましたが、トラックに火葬設備がついていて、荷台の中でペットの葬儀ができるというものでした。
トラックの中で最後のお別れをして、後ろに停めた自分の車の中で待ちました。
火葬が終わるとトラックの中に呼ばれ、骨になったウサギさんとご対面しました。担当してくれたのは社長さんで、骨の説明を詳しくしてくれました。家族で壺に収め、残った粉のような骨を社長さんは大切そうに最後まで丁寧に壺に収めてくださいました。本当に動物が好きな人なんだなぁと感じました。

初めてウサギさんが来てから8年たった去年、残ったウサギさんたちも2匹相次いで逝ってしまいましたが、迷わず最初の時と同じ業者さんにお世話になりました。毎回とても丁寧に対応してくださって、私たちの悲しみも少し癒されたような気がします。
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最初のウサギさんがいなくなってしまってから6年近く、残った2匹はとっても仲良しでした。特に男の子ウサが女の子ウサを大好きでした。
いつも寄り添って女の子ウサをペロペロ、ペロペロしていました。そんなとき女の子ウサはウットリした顔でとても幸せそうでした。でもあまりにも男の子ウサがペロペロしすぎたり、追い回したりすると、たまにイラっとするらしく、ウサキックしたりしていました。女の子ウサのおでこのあたりはペロペロされすぎて毛が薄くなっていたので、それも仕方ないかもしれません。

去年、女の子ウサが老衰だったのか突然亡くなってしまったとき、男の子ウサは、ずーっと動かなくなった女の子ウサに寄り添っていました。とてもさみしそうに見えて切なくなりました。
一人ぼっちになってしまった男の子ウサも、その半年後、腫瘍ができてしまい病院通いをしていました。高齢なので手術はできませんでしたが、ある日、病院で栄養補給の点滴をうった後、家に着いた頃にはぐったりしてしまい、ほんの数十分のあいだ逝ってしまいました。
最初の男の子ウサの時も薬を飲んだ直後だったので本当にやりきれない思いでした。 3匹ともいなくなってしまった庭がなんだかひっそりしてさみしげです。

目の前が畑だったので、おじさんがよくキャベツとかくれたっけね。無農薬だから、そのままあげて大丈夫だよーって。
庭のうさスペースに敷いていたウッドパネル?をかじり、庭に穴をあけたこともあったよね〜
もともと穴の中にすんでいるウサギさんだから土を掘るのは得意みたいだけど、一晩であんなに深い穴を掘るなんてほんとビックリしたなぁ。それに掘りだした土が山のようになっていて、初めはそっちに驚いたわ。

公園でお散歩していた時、突然、野生に目覚めちゃって、脱走したときの足の速さは正に「脱兎のごとく」だったなー。ジャンプ力もすごかったし。あれは家の中では見られない光景だったよね。あの時は無事見つかったから良かったけど…。その後は外でのお散歩禁止になったのよね。

大きな迷い犬が2匹、庭に入り込んでしまった時は、怖くてブルブルしながらも足ダンして一生懸命威嚇してたよね〜。人間だって怖かったよ。あんな大きな犬がいきなり入って来たんだもん。 そういえば、隣の家のワンちゃんが柵を飛び越えて入ってきちゃったこともあったね。あの時もびっくりしたねー。

いろいろ思い出したら、ここではとても書ききれない8年間。いま改めて楽しい日々をありがとう、だな…。

ウサギさん3匹が我が家に来た頃、まだ生まれていなかったウチの子ももうすぐ10歳になります。またウサギさん飼いたい!と言っています。
今は飼える状況ではないので「自分一人で責任を持ってお世話できるようになったらね!」と言ってごまかしていますが、ほんとうはママが一番飼いたいのかも…です。

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