風林火山とは?
風林火山(ふうりんかざん)は、南北朝時代の南朝方の鎮守大将軍・北畠顕家や、甲斐の戦国大名・武田信玄の旗指物(軍旗)に記された「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」(疾(と)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如く、侵(おか)し掠(かす)めること火の如く、動かざること山の如し)の通称。
日本で最初にこの旗を用いた武将は北畠顕家であるが、江戸時代以降の軍記物などで武田軍をイメージするものとして盛んに取り上げられる。
歴史:「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」の句は『孫子』・軍争篇で軍隊の進退について書いた部分にある「其疾如風、其徐如林、侵掠如火、難知如陰、不動如山、動如雷霆。/其の疾きこと風の如く、其の徐(しず)かなること林の如く、侵し掠めること火の如く、知りがたきこと陰の如く、動かざること山の如く、動くこと雷霆(らいてい)の如し」からの引用。
これは「移動するときは風のように速く、静止するのは林のように静かに、攻撃するのは火のように。隠れるには陰のように、防御は山のように、出現は雷のように突然に」と言う意味である。
各版本によっては「難知如陰」と「不動如山」が逆に記されている場合もある。